New Balance YOYOGI PARK
FKTとは、代々木公園の中に設定された約1.6km=1マイルのコースで行うオンラインマイクロレースです。
特定のコースで走ったタイムをアプリ(Strava)上にアップロードし、公開することでレースに参加します。
そもそもFKTとは、「Fastest Known
Time」の略で「知られている限り最も速いタイム」のこと。
もちろん、最速を競うことがすべてではなく、自己記録に挑戦したり、友人と一緒に楽しんだりと、ぞれぞれに合った楽しみ方で何度でもチャレンジが可能です。
“ランニングの聖地”と呼ばれる代々木公園で、新しいランニングの形をぜひ体験してみてください。
下記URLおよび、「グループ」タブ→「チャレンジ」から『New Balance YOYOGI PARK FKT』を検索し、「チャレンジに参加」をクリック。コースMAPに沿ってランを行い、タイムを計測する。
※お使いのGPSウォッチ、もしくはスマホアプリでStravaを起動の上記録してください。
ACCESS TOランが終了したら、記録タイムが反映され自分の順位がランキングに表示されたことを確認して終了です。
※記録の反映には、アクティビティの公開範囲が「全員」である必要があります。
※期間中のベストタイムが表示されるため、何回でもチャレンジすることができます。
1:公園利用者、一般通行人等の妨げにならないように走行してください。
2:記録に挑戦したいかたは、一般来園者が少ない時間帯で走行してください。
3:新型コロナウイルス感染症対策のため、マスクの着用をお願いいたします。
※体調が優れない場合は、直ちにコース外に避けて体を休めてください。
※下記、その他の注意事項もご確認ください。
マナーを守って楽しくランニングしましょう!
ランナーズロッカーをご自由にお使いください。
ロッカー側面は、ランニングコミュニティのステッカーなどを貼っていただくフリースペースとなっています。
ロゴを既にお持ちのランニングコミュニティには、ステッカーにプリントするサービスをおこなっております。
詳しくは事務局までお問い合わせください。
(MAIL:info@nbrunnig.jp, TEL:03-5778-8755)
※開錠までお時間をいただきますので、紛失には十分お気をつけください。
※ロッカーの鍵を紛失した際は、事務局までご連絡ください。
これからを走る“きっかけ”を、探していく
Interview about FKT
ランナーが、これからのレースづくりを考える
Interview about FKT
2021年11月、代々木公園からはじまる「NB TEST RUN SHIBUYA」。今ここで、コースを作り、走りはじめる理由とは?スモールレースのオーガナイザーと公園の管理者、ランニングブランドという3つの視点で見つめ直す。
上田まずはこのイベントの背景を、New Balanceの視点から聞いてみたいです。
林もともとNew Balanceは矯正靴のブランドで、多種多様なランナーの足元を支えてきた背景があります。でも、コロナ禍でそのさまざまなランナーたちが、今まで楽しく走ってきた多くの場をなくしてしまった。だからこそ今、これまで走っていた街への視点を変えてみることで、新しいランニングのカルチャーを見つけられるタイミングだと感じました。初夏に行った「TAMAGAWA FKT by Riverside Micro Race」でも、最終日、仕事終わりにギリギリで来た女性が走ったあとすごくいい笑顔で帰っていったんです。彼女があのマイクロレースに感じたワクワクがとてもよく伝わってきて、ぜひいろんな街や公園と連携しながら、そういう場を生み出していきたいと思いました。
西本今回それを代々木でやることには、かなり大きな意味がありますよね。代々木公園って、NYのセントラルパークやロンドンのハイドパークと同じくらい気持ちよく走れる場所。最新のファッションで走っている人たちがたくさんいて、ランニングしても買い物しても楽しくて……日本を代表するような場所でのイベントは、次へのきっかけにつながる気がしています。
上田代々木公園には地元の人も旅行者もいるし、来園者の活動時間帯もばらばら。それでも誰からも愛される公園であるためには、イベントの作り方がキーになりそうです。
佐藤じつはここ数年、代々木公園を走る人たちに対しての苦情が目立ってきたんです。曜日や時間に関わらず多くの方が走っていて、ランナーが100人を超える日もある。とてもうれしい反面、ときどき、ほかの来園者に迷惑がかかっている場面も見かけるんですね。だから園内放送や掲示物で注意喚起をしているんですが、あまり効果はなくて……正直、マナー遵守をこちらから働きかけることには、限界を感じていたところでした。でも、今回のようなイベントを通じて、ランナーの方々に自分が走る場所を見つめ直してもらえたら、走り方も変わってくるんじゃないかと楽しみにしているんです。
上田誰かに言われたからマナーをよくするんじゃなくて、ランナー自身がみずから守りたいルールを考えて、動いていくほうがより実効性があるのではないか、と。
西本海外では、いいコースであればあるほどランナーと一般の方々が共存していると思うんですよね。ランナーと、歩いているおばあちゃんとが挨拶しあうような文化がある。お互いがその場所を愛するがゆえに、ポジティブな言葉を交わしたり譲り合ったりする空気が日本でも出てきたら、すごくいいなと思います。
林たった一回のイベントで最適解は生まれないと思うけれど、走る人にも走らない人にも、何かしらの意識を持つきっかけがつくれたらいい。きっと公園だけでなく、街全体が共同体になっていくきっかけにもなりそうですよね。
佐藤代々木公園には自然豊かなA地区とスポーツを楽しめるB地区があって、陸上をやっている人なら誰もが知っている織田フィールドも併設されています。こうしたスポーツに親しむ空気をこのまま根付かせながら、ランナーやほかの来園者、街や地域をつなげるクッション材の役目を担っていきたいです。
上田陸上の聖地の隣にあって、さまざまなスタイルのランを楽しめる代々木公園。そんな場所で、新しいアイディアを試していく「TEST RUN」をきっかけに、何かひとつでも次につながる取り組みを生み出していけたら素敵だと思います。
スモールレースが広がるなかで生まれた、ランナーがレースをつくるという新しい可能性。これからのランナーの在り方とは?レースとは?女性のシリアスランニングチーム9trackのメンバーがレースの未来を描く。
北川最初に、9trackを発足のときに大切にしたことを教えてください。
森川走力という強さだけにこだわると、女性特有のライフイベントを考えたときに限界が来ると思っていて、そういう状況さえも受け入れて楽しみながら走り続けられるチームにしたいというのがベースにありました。さらに、個々の目標に対して、メンバー同士がサポートし合える強固な絆が重要だと思ったので、いまはクローズドのコミュニティとして活動しています。
山本2021年1月の、まさにコロナ禍真っ只中で発足したチーム。世間が自粛ムードで走ることを控えていたランナーも数多くいた中で、自分でコントロールできる範囲で楽しもうと、走ることに意欲的だった女性が集ったと思っています。同じマインドを持った力強い仲間ですね。
北川9track以外のコミュニティにも所属し活動しているメンバーも多く、コミュニティ同士の関わり合いも日常的にありますよね。
森川自身の練習のために、シリアスな男性チームと走ることもありますし、自分で開催している練習会も、参加されている方々によってコミュニティとなりつつあります。 実業団時代は観客が少ない状態でレースをすることも多くて狭い世界だったのですが、いまになって思うのは、市民ランナーの皆さんと実業団選手やエリートランナーたちが交わる機会がもっとあってもいいのかなって。走ること1本で勝負している選手と、社会人スキルを持っている市民ランナーの方が、お互いに影響しあえる要素はもっと沢山ある気がしています。
北川選手や市民ランナーの交差点が公園や街だったりすると思うのですが、どんな環境であればその場所で走りたくなるんでしょうか。
山本空気がきれいで自然が多い場所ですね。故郷の北海道は道が広くて空気感が東京と違って。引っ越すときの基準に公園の近くという条件が入るほど、クリーンな場所で走るのが好きです。
森川信号が少ないところが練習環境としていいと思います。歩行者の方へのマナーも大切だと思うので、道が広いところが好ましいですが、どうしても迷惑になってしまいそうな時は挨拶したりお礼を言ったり。そこに住んでいる方と気持ちいいコミュニケーションが取れる場所が理想です。
山本今回のTEST RUNの舞台である代々木公園もたくさんのランナーと市民や観光客の方が交差する場所ですよね。だからこそ走るひとと歩くひと、自転車のひとの専用のレーンが設けてあるとお互いが認識しやすいんじゃないかと思いますね。
森川織田フィールドがあるスポーツ地区と、森林エリアに分かれているものの、ランナー全員がトラックを走るわけではなく。海外の公園はランナー専用コースがありながら、ウォーキングや散歩をしているひとと並走できて、隔たりがなかったりします。早朝や夜に限らず、いろんな趣味嗜好のひとが好きなことを楽しめる場所になるといいなと思います。
北川身体を動かすという根源的な価値を見出すポテンシャルがとても高い代々木公園で、どんなレースができたら理想ですか?
森川老若男女の憩いの場だからこそ、9trackのコンセプトである女性のライフイベントがより楽しいものになることがしたいです。例えば、海外ではおなじみのバギーランの大会を、ずっと前からやってみたいと思っていました。現役時代は出産イコール引退だと思っていたし、ずっと速く走ることを継続するにはその期間がブランクになってしまう。でも、女性としての人生があったうえでのランニングだと捉えた時に、形を変えて継続するという考え方が理想だという結論にいたって。大会は速さや順位を追求するものという固定概念を取り払って、満足度や幸福度を目的とした大会があってもいいですよね。
山本新しい時代の新しいレースの形として、TAMAGAWA FKT(TAMAGAWA FKT by Riverside Micro Race)に参加したことが印象深かったです。レースもなく旅行にも行けなかったあの時期に、行ったことがない場所に足を運ぶというきっかけになりました。それはきっとわたしだけではなく、TAMAGAWA FKTがあったからこそ初めてあのコースを走ったというひとが多かったのではないかと思います。日本各地でスモールレースが開催されるとそこにひとが訪れて、走ったランナーが発信すればまたそこでチャレンジするひとが出てくる。そうすると地域振興にも繋がっていくなって。
森川古くからの友人であり、現役時代にライバルだったいまも現役のランナーが、TAMAGAWA FKTを走った結果をみて、「打倒森川」でチャレンジしてくれたんです。2秒負けましたが、ライバルとまた違う形で競えたというその出来事がとてもおもしろくて。誰かの心に火をつける吸引力はマイクロレースの魅力のひとつですよね。
北川こうして色んなレースを考えると、それをベースにいろんな要素を取り入れて、より良いものを作っていきたくなりますね。
山本名古屋ウィメンズマラソンは女性のランニングレースということもあり、レース自体がとにかく可愛くて大好き。例えば、コーンがピンクだったり、ゴールに風船が飾ってあったり。驚くのはエイドに手鏡やティッシュが用意されているほどの細やかな気遣いまであります。給水後もみんなちゃんとゴミ箱にゴミを捨てるから、レース中もコースがきれいな状態で保たれていて。本当に走っていても見ていても楽しいです。
森川わたしが現役時代に出ていたホクレンディスタンスは、観客の方がトラックの脇まで来て、選手と同じ目線で応援してくれるんです。各チームやそのスポンサーの横断幕をバンバン叩いて一生懸命エールを送ってくれる姿や、会場内にテンションの上がる音楽がかかっていること、実況があったりで、すごく臨場感のあるレースでした。お祭りみたいな盛り上がりを他のレースでも作り出せたら楽しいですね。
北川レースづくりにおいては、お2人の経験からいろんなアイディアが出てきそうですね。
山本9trackのメンバーは走ること以外にもスキルを持っているメンバーばかりで、それを生かしてレース前後に走ること以外のコンテンツを盛り込めば、これまでにないレースが作れそうです。ランニングクリニックやヨガを用いたウォーミングアップ、栄養学の講座とか。自分が誰かのために提供できるスキルをランニングと掛け合わせることができたら、新しい使命感や自信を持てて、ポジティブな連鎖が起こる。
森川トラックを走ったことがない女性が多いので、女性だけのトラックレースもやってみたいし、朝から夜までフェスみたいにいろんなコンテンツが楽しめて、頑張って走った脱力感の中でお酒と音楽に酔いしれるアフターパーティーがあるレースも最高ですね。走ることは苦しいことというイメージを払拭できるようなレースをつくって、気軽におしゃれに、楽しく続けてほしい。そのためにわたしたちができることを形にしていきたいです。
北川レースに参加するだけでなく、レースづくりの視点からランナーの在り方を捉えてみる。一人ひとりのランナーが、新しいランナーとしてのポジションを確立していくパイオニアになってほしいと思います。