Product
Product
1906年の創業以来、品質は私たちの象徴です。しかし、私たちはすべての製品が環境に影響を与えることを理解しています。その多くは、素材や形状、構造を決めるデザインの初期段階で決まります。だからこそ、私たちは環境に配慮した素材の選択し、製品や素材をできるだけ長く循環させる仕組みの開発を通じて、サステナブルな未来に向けた新しい方法を模索し続けています。
環境に配慮した素材
素材は、私たちが生み出すすべての製品の基盤です。適切な素材を選ぶことは、製品の性能、スタイル、コスト、そして環境への影響に大きく関わります。素材ごとに異なる性能特性と環境負荷があります。ニューバランスでは、社内の「環境配慮素材(EPM)ガイド」を通じて、素材チームに推奨基準を示し、全社で素材選定の方針を統一しています。これにより、環境に配慮した素材の採用と、科学的根拠に基づく排出削減目標の達成に向けた取り組みを進めています。
なお、以下の製品は環境配慮素材の目標および進捗の対象外となります。
ライセンス契約によるフットウェアおよびアパレル、ニューバランスの各地域のデザインセンター(Tokyo Design Center、Manchester Design Studio)が企画・販売するアパレル、チーム向け直販製品、外部業者を通じて注文されるプロモーション製品、2022年以前のグローバルフットボールアパレル。
2022年以降、グローバルフットボールアパレルは対象に含まれますが、ニューバランスジャパンが企画するフットボールアパレル製品は除きます。
Recycled Polyester
Recycled Polyester
ポリエステルは、ニューバランスで最も多く使用されている繊維素材です。耐久性があり、軽量で、アパレルやフットウェアに幅広く適していますが、従来は化石燃料由来の素材です。私たちは「2025年までにポリエステルの50%をリサイクル素材にする」という目標を掲げていましたが、2023年にすでに達成し、56%をリサイクルポリエステルに切り替えました。この成果は、意味のある変化を迅速に実現できることを示しています。科学的根拠に基づく排出削減目標に沿い、さらに2025年目標を前倒しで達成していることから、次のステップとして「2030年までにポリエステルを100%環境配慮素材にする」ことを目指します。この「環境配慮ポリエステル」には、リサイクル素材、生物由来素材、排出削減型原料を含める新しい定義を採用します。
また、リサイクル素材については、ポリエステルのうち25%を繊維廃棄物由来にするという具体的な目標も追加しました。
Preferred Leather
Preferred Leather
レザーは耐久性があり、快適な素材ですが、その生産には土地や資源、化学物質を多く必要とします。私たちは、2025年までにレザーを100%環境配慮素材にすることを目標として掲げており、Leather Working Group(LWG)ゴールド認定のタンナーからの調達するか、クロムフリー加工または、再生型農業を実践する牧場から調達します。
2023年には、94%を環境配慮レザーに切り替えました。さらに2024年からは、科学的根拠に基づく排出削減目標に沿って、定義を拡大し、排出量の少ないレザーを優先します。新たな目標として、2030年までに、すべてのレザーをクロムフリー、再生型農業由来、または低排出素材にすることを目指します。
低排出素材とは、ライフサイクル評価(LCA)で排出係数が 18 kgCO₂e/kg以下 であることを条件とします。また、年間生産能力が100万平方フィート以上のタンナーは LWGゴールド認証、それ以下のタンナーは LWG監査済み である必要があります。さらに、ニューバランスが使用するすべてのレザーは、当社の「動物由来素材ポリシー」(Restricted Substances Manualに記載)に準拠しています。
Preferred Cotton
Preferred Cotton
コットンは、汎用性が高く快適な天然繊維ですが、その栽培には大量の水や農薬が必要であり、労働環境に関する課題も指摘されています。私たちは、2025年までにコットンを100%環境配慮素材にすることを目標として掲げています。環境配慮コットンには、認証オーガニックコットンやベターコットンが含まれます。ニューバランスはBetter Cottonのメンバーです。ベターコットンは最終製品まで物理的に追跡できるわけではありませんが、ベターコットンを調達した製品を購入することで、農場レベルでの環境改善や労働環境改善に直接投資することになります。2023年の調達率は38%で、2022年から大きく減少しました。現在、コットンの算定方法や関連プロセスを見直しています。今後は、リサイクルが難しいポリコットンなどの混紡素材を減らし、循環型の取り組みを進める計画です。
Sole
Sole
シューズのソールは、素材の使用量と環境への影響において大きな割合を占めています。2023年、ニューバランスは環境配慮型ソール素材と製造プロセスを定義し、影響を最小限に抑えるために次の新しい目標を設定しました。2030年までに、ミッドソールの80%、アウトソールの90%を環境配慮素材にすることを目指しています。ミッドソール素材には、サトウキビ由来のバイオベースEVA、リサイクルミッドソールフォームを採用し、ミッドソール製法には、インジェクションモールド、ダイレクトモールドなど、より効率的で環境負荷の少ないプロセスを位置づけています。アウトソール素材としては、リサイクルラバー、バイオベース化合物を優先的に使用します。
Product Chemistry
Product Chemistry
私たちは、有害物質を排除し、健全な生態系を守るとともに、サプライチェーン全体で消費者や作業者の健康と安全を促進するため、継続的に取り組んでいます。ニューバランスの製品化学基準は、当社が直接製造するフットウェア、アパレル、アクセサリー、機器、契約工場で製造される製品、そしてライセンス製品すべてに適用されます。
有害物質制限プログラム
ニューバランスの「有害物質制限プログラム」は、当社の制限物質マニュアル(RSM)への準拠を推進しています。RSMは、サプライヤーがより安全で持続可能な化学物質を選択し、化学物質管理に関する継続的な改善プログラムを実施できるよう支援します。
RSMには、制限化学物質に関する2つのリストが含まれています。
1. 制限物質リスト(RSL)材料、完成品、パッケージ、化学製品における特定物質の使用を禁止します。
2. 製造制限物質リスト(MRSL)製造工程で使用される幅広い化学物質を禁止します。ニューバランスのサプライヤーは、製造中にMRSLに記載された物質を一切使用しないことが求められます。
これらのリストは、国際的な規制や認定基準で「懸念化学物質」とされる380種類以上の物質・化学グループを対象としています。化学物質の制限や管理のベストプラクティスを決定するため、AFIRMやZDHCなどの外部パートナーからの意見も取り入れています。さらに、ニューバランスは2013年4月以来、ZDHC(Zero Discharge of Hazardous Chemicals)「Roadmap to Zero」プログラムにおいてリーダーシップを発揮しています。このプログラムは、アパレル・フットウェア業界の主要ブランドや小売業者が、最も有害な化学物質の排出ゼロを目指して取り組む国際的な連合です。
サプライヤーのコンプライアンス支援
当社の基準や関連法規への準拠を確保するため、ニューバランスの製品化学チームと「Responsible Leadership」チームは、オンラインおよび対面での研修を通じて、サプライヤーに教育を行い、制限物質、試験手順、化学物質管理のベストプラクティスなどに関する追加リソースを提供しています。
サプライヤーは、当社の化学物質管理認証プログラムに参加することもできます。この認証は、サプライヤーが化学物質管理に関する強固な社内体制を持ち、制限物質の使用を回避していることを示します。2023年時点で、当社は二次サプライヤー97社を認証しており、そのうちゴールドが15社、シルバーが30社、ブロンズが52社となっています。現在、サプライヤーの20%がいずれかの認証レベルを取得しています。
More Sustainable Packaging
More Sustainable Packaging
パッケージは製品の品質を守り、輸送中の製品の損傷を防ぐ重要な役割を果たします。輸送過程で製品が破損すると、膨大で避けられるはずの資源の無駄につながります。ニューバランスでは、パッケージの環境負荷を減らしつつ、その最も重要な機能である「製品保護」を損なわないよう取り組んでいます。
包装紙:当社のフットウェアパッケージのほとんどは紙製です。フットウェアは段ボール製のシューズボックスに入れられ、変色防止のために紙の薄葉紙で包まれ、形状保持のために紙の詰め物が入れられ、さらに段ボール製の配送箱で出荷されます。最大の懸念は、森林破壊や土地転換との関連性です。このリスクを減らすため、リサイクル素材の使用を優先し、森林をより持続可能に管理する認証プログラム(例:FSC認証)からのバージン素材を調達しています。また、紙の使用量と廃棄物削減のため、2023年にはナッシュビル配送センターでPacksizeテクノロジーを導入し、段ボールを製品に合わせたカスタムサイズにカットする仕組みを実装しました。
プラスチック:当社のアパレル製品およびニューバランスブランドのアクセサリーのほとんどは、個別にプラスチック製ポリバッグで包装されています。小規模なアパレル注文は、プラスチック製の配送封筒で消費者に発送されます。2023年には、紙製バッグのテストを継続し、オーストラリアで小規模な消費者トライアルを開始しました。この試験では、Ocean Bound Plastic(OBP:オーシャン・バウンド・プラスチック)を使用した代替配送封筒に関するフィードバックを収集しました。OBPは、東南アジアの沿岸地域で回収された海洋流出プラスチックをリサイクルして作られた認証素材です。