NBの姿勢とクロスオーバーする伝統工芸作家

日本の伝統工芸とニューバランスのものづくり。
この二つの重なりを探るため、日本を代表する3人の伝統工芸師とコラボレーション。

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  竹割の後、それを組み合わせて糸で纏り、紙貼り、絵付という一気通貫の手仕事。日本でも非常に稀有な製造工程こそ、小嶋商店の真骨頂である。その伝統を守りながら、今では200年の歴史を背負い挑戦し続けている。「時代を超えて続いているものは、その必要性から生まれたもの」不要なものは消えていく中、長きに渡って続けられてきた彼の家業には、深い誇りを感じると共に、家族とともにそれを守り続ける喜びがある。そして、今の時代とどのように共存していくか、その挑戦が彼の技術や製品にも反映されている。「提灯もニューバランスの製品も、日常の生活に馴染むもの」と述べる通り、双方とも、製品がどのようにお客様の日常に良い影響をもたらすか、その思いやりの気持ちが共通している。使うことで分かる日本の伝統と繊細さを世界に伝えていく強い意志が感じられる。

  小嶋商店　小嶋 諒Ryo Kojima

  1989年京都市生まれ。高校卒業後の2008年より、創業江戸寛政年間の歴史を誇る「小嶋商店」で修業を開始。頑丈で無骨な小嶋式提灯を生み出す技術と伝統を受け継ぐ。2021年には株式会社小嶋商店の代表取締役に就任。日々、素材感や空間との関係性を重視した新しい提灯の可能性を追求している。

  
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  初めて工芸に触れた時、その真価は見えずにいた。「技術の習得に一生懸命で、どんなシチュエーションで誰が工芸品を使うのか実感できなかった」と、振り返る。しかし、料理のプロたちが彼の製品を実際に使う姿を目にするうち、家庭でも尊重されるべき工芸品の意義を見つけた。彼にとって、クラフツマンシップは「品質の追求」と「生産量の最適化」の中間に位置する。「工芸とアートの違いは、”人のためにつくられるもの”という点。それがニューバランスとの共通点でもあります。直接体感することで、その価値がより鮮明になる。だから、私たちの工芸品やニューバランスを直接手に取って感じてほしい」現代の便利な生活の中で、彼は真の価値を「探求」する姿勢を大切にすることを強く願っている。

  金網つじ　辻 徹Toru Tsuji

  1981年生まれ。京金網の有名店「金網つじ」の2代目として、手作りの金網製品や曲げ輪製品を製作。伝統技術を継承しつつ、菊出しと呼ばれる技法で編まれた「とうふすくい」をはじめ、「ランプシェード」や「セラミック付き焼き網」など、現代のライフスタイルに合わせた商品の制作に挑戦し、海外にも展開している。

  
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  伝統工芸に込められた「臨場感と品格」。その深さを彼は熟知している。彼はクラフツマンシップは「繰り返しを通じて必要なものだけを残し、伝統と革新を同時に持つもの」と定義する。特に、鍋島焼きでは素材の選び方、形状、色のニュアンス、そして技法の伝承が非常に大切だ。新しいアイディアや技法への挑戦も、常にその根底にある歴史や価値、品質を守りながら進めている。ものづくりに対する情熱も明確で、「真心をこめ、最上の素材を選び、その細部にまで目を向けることが大切」と、信じている。「ニューバランスは、日常使いの魅力や、押し付けがましさのないブランド姿勢が、畑萬陶苑の工芸と共通しています」このコラボレーションを通して、日本独自の感性や奥ゆかしい美しさを、世界へと届けたいと願っている。

  畑萬陶苑　畑石 修嗣Shuji Hataishi

  1985年佐賀県伊万里市生まれ。伊万里鍋島焼の伝統と歴史を継承しつつ、伝統的表現方法を基盤に新しい挑戦を続ける。彫刻の知識を活かして素材の魅力と伝統技術、新感覚の組み合わせで新しい表現を模索。国内外の有名ブランドとのコラボレーションも果たしている。